ケンちゃんとリボン先生のHIV・エイズ基礎講座
「これだけは知ってて!」編
Lesson 1-13増えてるって言うけど…
そういえば、HIV感染が増えてるって話だけど、身近でHIVに感染したって聞いたことがないんだけど、実際どうなの?
日本全体で毎年年間約1,000人以上が、検査で感染が分かったり、エイズを発症していたりするんだよ!
え〜!
そんなにいるの?
1日に平均すると、3人〜4人が感染が分かったってことなんだ!
下の表は、1985年からの全国の新規HIV感染者数と新規AIDS患者数の推移のグラフね。
緑色は新規HIV感染者、オレンジは新規AIDS患者ね。
新規AIDS患者というのは、AIDSを発症してから感染が分かった人のことね。
ちなみに2020年の全国の新規HIV感染者数は750人、新規AIDS患者数は345人で、合わせると1,095人が報告されているんだ。
統計を取り始めた1985年からの累積数は、合わせて3万人を超えているんだよ!
そんなにいるんだ!
特に新型コロナの影響で全国的に検査が少なくなったり休止したりしている保健所も多いから、検査したくてもできない人が多くて、ちょっと心配なんだ!
そっかぁ…
で、福岡にもいるの?
もちろん!
こっちのグラフは、福岡の1985年からの状況ね。
2020年には福岡県で29人の新規HIV感染者、12人の新規AIDS患者が報告されているんだ。
福岡県では、2020年までの累積数は合計1,000人近くにもなるんだ!
2020年の報告数が極端に少ないのは、感染したり発症した人が減ったんじゃなくて、新型コロナの影響で保健所での検査休止したからだと言われているんだ。
そんなに!
2つのグラフを比べてみると分かるように、AIDSを発症して分かる人の数が全国的には全体の約3分の1なのに、特に福岡県はAIDSを発症して初めて感染が分かった人の割合が約半分で、突出して高いんだ!
あまりいい言葉じゃないけど、AIDSを発症して感染が分かることを「いきなりエイズ」って言ったりするんだ!
どんな病気でもそうなんだけど、手遅れにならないうちに早く発見すればするほど治療は楽になるんだ。
AIDSは死なない病気になったって言うけど、今でも手遅れになって亡くなる人はいるんだよ!
もし感染していたとしても、やっぱりAIDSを発症する前に検査で分かったほうがいいんだね!
この数字は、あくまでも検査をして感染が分かった人の数なんだ!
つまり、長い無症候期があるから自分の感染を知らない人も大勢いるってことね!
そっかぁ…
症状がない期間が長いから、感染していても気付かないもんね!
その間に、せっかく出来た恋人を知らないうちに感染させたりしたくないもんね!
その通り!
今回のおさらい!
という訳で、全国的には多少減少傾向にはなっていたけど、それでも毎年1,300人以上の人が感染しているんだ!
そして、福岡県は「いきなりエイズ」の割合が全国に比べてダントツに高いんだ!
ヤバいね〜!(汗)