ケンちゃんとリボン先生のHIV・エイズ基礎講座
「もしHIV陽性だったら?」編
Lesson 4-2治療は薬を飲むだけ!
入院も隔離も必要なし!
感染が分かって病院へ行ったら、やっぱり入院しないといけないのかなぁ?
入院なんて必要ないよ!
HIV感染の治療は、毎日お薬を飲むだけね!
昔は1日に何度も大量の薬を飲まないといけなかったけど、治療法もすごく進歩したから、1日1回1錠の薬を飲むだけでよくなったんだ!
治療の研究はどんどん進んでいて、まもなく1〜2ヶ月に1回の注射でもOKになりそうなんだ!
1〜2ヶ月に1回の注射?
隔離とかしないの?
当然隔離もないない!
HIVの感染経路は限られてるし、日常生活では感染しないってやったよね!
あっ、そうだった!
Lesson1-10だ!
どんな薬?
せっかくだから、HIV感染の治療薬について解説しよう!
は〜い、よろしく!
まず簡単に言うと、HIV感染の治療薬はHIVというウイルスの活動を、先回りして邪魔していくのが目的ね。
なるほど!
HIVは粘膜や傷口から血管の中に入り込むと、CD4という免疫の司令塔の役割をしている白血球の仲間のリンパ球を探してくっつくんだ。
ふむふむ…
HIVはくっついたCD4の中に潜り込むと、CD4の遺伝子情報をHIVの複製が量産できるように書き換えて、増殖していくんだ。
CD4を乗っ取るんだ!
HIVはどんどん増殖を続け、乗っ取られたCD4は壊れてしまって、どんどん数が減っていって、免疫機能が働かなくなってしまうんだね。
それで、感染してない時には何ともなかった細菌などにも防御が効かなくなって、エイズ発症ってなるんだ!
そう!
そこで、そうならないように、それぞれの段階に合った薬を組み合わせてHIVが身動き取れなくするのが、HIV感染症の治療なんだ。
ふむふむ。
抗HIV薬の働き
- HIVがCD4にくっつくのを邪魔する
- CD4に入り込んだHIVにDNAを作らせない
- HIVが作ったDNAが、CD4のDNAに潜り込むのを邪魔
- CD4の中で複製したHIVを外に逃さない
昔は、それぞれの役割の薬を別々に飲まないといけなかったから、1日に何度も薬を大量に飲まないといけなかったんだ。
でも、医療の進歩で、1錠の薬の中に複数の効果を盛り込むことができるようになったから、1日1回1錠で済むようになったんだ!
くっつくのを邪魔するだけじゃダメだったの?
実はそうなんだ。
HIVはとても変異しやすいウイルスだから、1つの機能だけじゃ変異種が防御をすり抜けてしまうんだ。
そこで罠をいくつも仕掛けて防衛線を突破できないように多剤併用療法が開発されたんだね!
残念なことだけど、今の医療じゃHIVの完全排除まではできないけど、1〜2ヶ月に1回の注射でHIVの活動を抑制できる治療法の治験も承認されたから、昔に比べるとHIV感染の治療は格段に進歩したって言えるね。
医療の進歩に感謝だね!
今回のおさらい!
- HIV感染の治療には隔離も入院も必要なし!
- HIV感染の治療は毎日1回1錠の薬を飲むだけ!
- HIV感染の治療薬で、HIV感染の活動を邪魔して封じ込める!
- HIVの完全排除はまだ実現していない。
- まもなく1〜2ヶ月に1回の注射で治療OKの時代に!
まずはHIVが体に入ると、どんなことが起こっているのか見てみよう!
HIVとCD4の関係が分かったところで、HIV感染の治療薬の役割を見てみよう!