ケンちゃんとリボン先生のHIV・エイズ基礎講座

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「2021年はレッドリボン30周年」編

Lesson 5-5レッドリボンが照らした光

著作権フリー
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レッドリボンが世界的に認知されてくると、1992年末には、赤いリボンのダイヤモンド・ネックレス、赤いリボンのクリスマス・オーナメント、赤いリボンのTシャツやキャップなど、ありとあらゆるものに赤いリボンが付けられるようになったんだ。

ありそ〜!

そうなってくるとビジュアルエイズのメンバーの中で、赤いリボンを著作権登録して資金源にしようという声も聞こえてきたんだ。

そりゃそうだ!
そこまで認知されたら、絶対に儲かるって!

どころが、ビジュアルエイズの創始者たちはそうしなかった

えっ、なんで?

レッドリボンが生まれた理由は、「誰もが簡単に作れて、誰もが参加できるシンボルをつくりたい」だったよね!

あぁ、そうか、著作権登録すると誰でも自由に使えなくなってしまうもんね。

レッドリボン運動の精神に反するんだ!

そのとおり!
誰もが自由に使えるシンボルだから、普遍的に広がったんだ。

納得!

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広がるレッドリボン!

レッドリボンの広がりの一部を表にしてみたよ。

1992年
全米ファッションデザイナー協議会デザイン性象徴的な力を評価して表彰
ニューヨーク・タイムズ誌1992年を「リボンの年」と宣言。
1993年
米国郵政公社が29セントの切手を発行
1996年
UNAIDS(国連合同エイズ計画)が発足。ロゴマークにレッドリボンを取り入れる。
1997年
クーパーヒューイット国立デザイン美術館の「Design for Life (人生のためのデザイン)展」に出品。
ニューヨーク近代美術館(MoMA)の「Humble Masterpieces(謙虚な傑作)」に出品。
2007年
12月1日の世界エイズデーホワイトハウスが初めて巨大なレッドリボンを掲示。
2015年
ニューヨーク近代美術館(MoMA)パーマネント・コレクション(永久収蔵品)に指定。

誰でも使える」から広がったんだね!

レッドリボンがエイズ問題のシンボルとして広がっていくにつれ、人々もエイズについて語れるようになっていったんだ。

レッドリボンが普及したおかげで、見ないふりはできなくなったんだね!

問題を気づかせる方法としてのリボンは、啓発活動のひとつの見本になっていくんだ。

現在では200以上のエイズ以外の活動で様々な色のループ状のリボンをシンボルにしているよ。

あ、知ってる!
乳がんのピンクリボンとか、DV防止のパープル・リボンとかね!

ピンク=乳がん、シルバー=脳に関する病気、グリーン=環境保護、臓器移植の推進など、オレンジ=反人種差別、児童買春・児童ポルノ根絶、ブルー=日本では北朝鮮による日本人拉致問題、パープル=DV防止など
悲しみや痛みの共有
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レッドリボンが生まれた頃は、リボンをつけるのは過激な行為だと思われていたんだ。

エイズのことを口にすることもタブーで、エイズは不道徳な人が不道徳な行為でかかる天罰のような病気って言われていた時代だったよね…

ところがレッドリボンをどこででも見かけるようになると、ただリボンを付けてるだけでエイズ患者たちを気遣っているように見せかけた偽善だ政府の怠慢や世界の偏見に対して活動が生ぬるい!など、他のエイズに関する活動団体や活動家から反発も出てきたんだ。

反発?

例えばデモ行進や、ダイインといって地面に横たわって死者の声を代弁するような抗議活動を活発に行って、政府の怠慢や偏見や差別と戦っている団体から見ると、ただリボンを作って配っているだけにしか見えなかったようなんだ。

そうか…、デモ行進やダイインは分かりやすくてインパクトがあるもんね。

もちろん大規模な抗議活動を行って政策や政府の方向性を変え、危機に対する認識を得ようとする活動も大事だよね!

そんな活動があったからこそ、理解が進んだ面が大きいのも事実。

大きく声を上げることで、たくさんの人に呼びかけることができるもんね!

でも、積極的な活動はリクスが大きく、とても勇気がいることだったんだ。

だから、そんな活動に恐怖を感じる人もたくさんいたんだ!

確かにハードルは高いかも!

ビジュアルエイズのメンバーは、声を上げることもできない、埋もれてしまった人たちの悲しみや痛み、喪失感を共有して、伝えていくことも重要だと考えたんだ。

そうだね〜
見落としがちな視点かもね。

いつでも誰でも、どこでも簡単に!
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もうひとつ!
レッドリボンは時と場所を選ばないんだ!

時と場所を選ばない?

デモ行進やダイインなどの活動は、その時間に、その場所に行かないと参加できないからね。

確かに!

でもレッドリボンは普段から服に付けていられるから、時と場所を選ばないんだ。

そうか!
レッドリボンは「誰でも、いつでも、どこでも、簡単に」参加できるように著作権も登録しなかったんだもんね!

そのとおり!
特に目立つパフォーマンスじゃないけれど、日常生活の中で静かにメッセージを伝えていけるんだ。

声高に叫ばないけど、しっかり主張はしているよね。

レッドリボンを付けていると、誰かが「それは何?どうして赤いリボンを付けているの?」と聞いてくれるかもしれない。すると「こんな理由で付けているんだ」「こんな意味があるんだ」と説明できるかもしれない。

HIVを持っている人やエイズを発症した人、家族や恋人や友人をエイズで亡くした人には、安心して話ができる人だと思ってもらえるかもしれない。

レッドリボンは、いつでも、どこでも、だれでも簡単にできる共感のメッセージなんだ。

だからリボンを付ける運動がいろんな活動で広がったんだね!

レッドリボンの活動は、これまで見逃されがちだった問題に光を当てて、静かに共感の輪を広げていく、地味だけどとても力強いメッセージなんだ!

レッドリボンって、実はすごいんだね!

僕もこれからリボンを付けてみようかな!

世界エイズデー
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ケンちゃんとリボン先生
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Lesson 5-6